第六回:まとめ

① 英文法はルール
 今回は今までの五回を通して伝えたかったことのおさらいとまとめ、補足をしていきたいと思います。気になった内容があれば是非前回までのブログを見直してみてください。

 まず、このブログを通して僕がみなさんに一番伝えたかったことは、英文法は英語のルールであるということです。第一回でこのことを述べたあとも何回か引き合いに出しましたが、英文法は英語という科目の中の一つの暗記分野であるというよくある思い込みから、英語を書くためのルールなのだという認識になってもらえたのならば幸いです。

 また第四回に書いた、逆説の表現などの言葉の使い方も英語のルールであると言えます。特にこの分野は一単語の表現も多く、学習がおろそかになりがちだと思うので、自信があっても一度復習してみることをおすすめします。

② 丸暗記と理解
 次にこのブログを通じて伝えたかったことは、文法事項の丸暗記を始める前になんとかその中身を理解できないか試してみて欲しいということです。この話は第五回で分けたうちの、特にイディオムや慣用表現のパートに役立つものだと思います。このパートは非常に情報量が多いので、片っ端から丸暗記を試みる方が楽なのかもしれません。しかし情報量が多いからこそ、一度学習した内容を忘れないようにするためにしっかりと理解することが大切なのです。

 また、この考え方は英語のルールのパートにも当てはめて使うことができます。例えば、みなさんは仮定法がなぜ一つ前の時制を使用するか聞いたことはないでしょうか(仮定法過去は現在のことを表していて、仮定法過去完了は過去のことを表している)?それは、英語では現実出ない状況について話をするときには過去にあったものと同じ時制を使うというルールがあるからです。このルールを理解しておけば、「仮定法過去は If S 過去形, S would 原型 で……」と長い文の構造を暗記する手間が少し省けるのではないでしょうか。

 ここまでは理解することが絶対正義であるように書いてきましたが、時には丸暗記も必要なのだということも忘れないでいてください。例えば上の例で仮定法の作り方を理解していたとしても、動詞の不規則変化を覚えていなかったら元も子もありません。他にも、助動詞や前置詞のスペリングや単語に分けて理解しようとしても不可能そうなイディオムなどに関しては暗記するしかありません。決して丸暗記が悪いのではなく、理解することは丸暗記の効率の良い方法であるのです。

③ 最後に
 いよいよ第一回から続いた僕のブログも今回で最終回となりました。ここまで読んでくださったみなさん、ありがとうございました!最後に、英文法の学習の先にある受験や大学生活で文法がどのように役に立つかについて書いていきたいと思います。

 受験においては、英文法はセンター試験の大問2のような文法問題として出題されるイメージが強いと思いますが、大学ごとの個別試験においては大学のレベルが上がるほどに文法問題は出題されなくなっていきます。おそらく、レベルの高い大学ではただの文法問題では差がつかないからでしょうが、その代わりに長文の問題に仮定法や難解な英文解釈などの高度な文法の理解を問うようになってきます。特にこのような問題では文法事項の形の暗記よりも、例外的な形を出題して理解を問う問題も多いので、何度も復習してルールの確認を怠らないようにしてください。

 さて、受験を終えるとみなさんは大学生になると思いますが、受験期に英語に真剣に取り組んだ人であれば英語を喋ってみたいと感じるのではないでしょうか。このスピーキングの際にも、英語のルールがしっかりと頭に入っていることは大きなアドバンテージになります。僕も大学に入ってスピーキングをしてみて感じたのですが、英語を喋ろうとすると予想以上にうまく言葉が出ませんし、頭が混乱してしまいます。そんな混乱時にでも使える知識とは、うろ覚えの知識ではなくしっかりと身についている知識です。今この受験時代に文法をしっかり学んでおけば、受験が終わった後の大学生活やそのあとにおいても役に立つスキルが身につくのです。

第五回:文法の勉強のコツ

① 文法の勉強のコツ
  第四回までで、僕が文法を学習する際に意識していたことや様々な問題を解く中で感じたことについて説明してきましたが、今回はそもそも英文法の学習をどのように進めると良いと感じたかについて書いていこうと思います。

 実際に、いつ頃から文法の勉強を始めれば良いかということや、どのようにNext Stageなどの分厚い参考書を使っていけば良いということなどを疑問に感じている高校生は多いのではないでしょうか。ここでは、その時期と方法の二点について説明していきます。

② 英文法を勉強する時期
 まず、英文法に取り掛かる時期についてです。突然ですが、英文法の参考書に載っている問題を大きく二つに分けると、時制や仮定法などのこのブログで僕がよく言っている英語のルールのパートと、イディオムや慣用表現などのパートの二つになると思います。

 このうち英語のルールのパートに関しては、早いうちに取り組んでおくことをおすすめします。なぜなら、このパートは前回のブログにも書いたように長文の詳しい意味やニュアンスを理解するのに必須だからです。長文の問題演習をたくさん積む前に英語のルールをしっかりと頭に入れることで長文の学習をより効率的に進めることができます。また、もう長文の演習を初めてしまっている人でも英語のルールを一度復習してみてください。意外とこの分野が曖昧なまま長文の勉強を進めている人が多いと思うので、長文の勉強をさらに加速させるヒントが見つかるかもしれません。

 次に、イディオムや慣用表現のパートです。ここは、とにかく情報量が多いパートなので、受験までのスケジュールを逆算して試験に間に合うペースで学習することをおすすめします。ルールの部分と違って一度に学習してしまおうとすると大変大きな負担になると思うので、ルールや長文の学習を続けながら、単語と同じように日々進めていく方が良いのではないかと思います。

③ 英文法を勉強する方法
 次に、英文法を勉強する方法についてですが、ここでは主に②で述べたうちの英語のルールの部分の勉強法に触れていきます。

 みなさんは学校で、Next Stageなどの問題集形式の参考書ではなく、英語のルールがしっかりと文章で説明されている参考書を購入したでしょうか。購入していないのならば、おすすめとして僕が使っていた参考書の名前を挙げますと『ブレイクスルー総合英語』という参考書を使っていました。

 ルールの勉強をするにあたっては、短文で演習を積むよりも理屈で理解することが大切だと僕は感じました。短文で演習を積むと、得られる知識がその文に出てきたものだけになるので、しっかりと網羅するためには日本語での説明文を読んで頭で理解することが必要だからです。

 そういった参考書で学習を進めるにあたって、インターネット上の情報も大いに活用してください。第二回で少し触れましたが、前置詞以外の分野でもインターネットには英語が得意な人が、英語を感覚で捉えるのに役立つ情報をたくさんアップしているので参考書の補助として活用してください。その際の注意点ですが、インターネット上の情報は必ずしも正しいとは限らないので、一つの事柄について複数のサイトを閲覧するなどして自分で精査することを忘れないよう気を付けてください。

第四回:英文法で長文を読むコツ

① 英文法と長文
 英文法と長文問題は互いに独立した分野のように扱われているにも関わらず、文法が分からなければ長文は読めない、といったようなことも言われており、受験生としては文法がどの程度長文に関わっているかを掴みづらいのではないでしょうか。そこで、僕が学習していく内で感じた文法と長文の関わりを今回は書いていきたいと思います。

② 英文を読む基礎的な文法
 まず僕が感じたことは、長文を読むのに当たって英語の基礎的な文法の決まり事を抑えておく必要があるということです。これはごく当たり前のことなのですが、例えば関係代名詞や仮定法の正しい使い方が理解できていなければいくら単語やイディオムの知識があっても文章の正確な意味を捉えることはできなくなります。

 僕が学習していく中で、文法が分からなければ長文は読めないと言われている所以はここにあるのだと感じました。単語やイディオムの意味さえ分かっていれば、文法事項によるニュアンスの違い以外のことくらいならば理解できるかもしれません。しかし入試を考えると、問題として出題される箇所は何らかの文法事項が関わっていることが大半であり、そこで表されているそのニュアンスの違いのようなものが問われているケースが多いのです。

③ 読解のルール
 次に僕が感じたのは、英語という言葉の使い方をしっかりと理解する必要があるということです。ここで言う使い方とは、接続詞や否定の語句の意味と用途を理解しているということです。

ここで、一つ問題を出してみましょう。
You might think that the color of the swan is white. However,
上の英文のあとにはどのような内容の文が続くでしょうか?
答えは、「白くない白鳥がいた」や「その白鳥(the swan)の色がある日突然白ではなくなっていた」のような内容の文だと言えます。どうでしたでしょうか。この文単品で見たら正解できた人が多いかもしれませんが、これこそが長文を読む上で大切な文法の力なのです。

 現代文の問題を解いているときに文中に「しかし」という接続詞を見かけたら、多くの人はそのあとの文ではそれまでと反対のことが述べられるのだとしっかり認識することができるでしょう。しかし、英語長文においてHoweverやButを見ても、対応する日本語訳として「しかし」という言葉は思いついても、そのあとの内容までは意識が向きにくいのではないでしょうか。ここで日本語と同じように後ろの内容が予想できることが、英語長文を論理的に読み進めていくに当たって非常に大事な力なのです。

 とは言っても、意識すればいきなりそれができるようになるかと言えば難しいと感じるかもしれません。そこで是非試して欲しいのが、文に記しをつけることです。英文に丸をつけるくらいならばやっている人もたくさんいると思いますが、最初はもっと具体的な記しを記入することをおすすめします。例えば、逆説の言葉には両矢印(↔)を記入したり、thereforeなどの順接の言葉には普通の矢印を入れたりということです。記号を使うことで直感的にあとに続く文の意味が予想できるようになると思います。最終的には何もない状況で日本語を読んでいる時と同じ反応ができるようになれば理想的ですが、まずは記号を書いて練習してみてはいかがでしょうか。

第三回:英文法の使い方のコツ

① 英文法を使うときに感じやすい悩み
 さて、今回は学習した英文法の知識を使って所謂文法問題と呼ばれる問題や英作文の問題を解く際のコツや解き方を説明していきたいと思います。文法問題においてよくある悩みは「文法事項は理解したし解説も理解できるが、問題は解けない」というものです。実際に僕もそのような悩みを抱えていました。また、英作文は大学のレベルが上がれば上がるほど課されることが多くなり、その難易度も上がっていくので専用の対策が必要なはずですが、初めて書いてみると予想以上に時間がかかってショックを受けると思います。今回は上記の二つのような悩みを中心にブログを書きたいと思います。

② 文法問題を解く
 では、内容が頭に入っているはずなのに問題になると解けなくなるのはなぜでしょうか。ここで、そう感じている人へ質問をしたいと思います。あなたは問題文の問題に直接関係のある場所(かっこの前後など)以外の部分の英文をしっかり読んでいますか?高校時代に文法問題に悩んでいたときの僕はこの質問に対し完全にNOの立場でしたので、みなさんの中にも読んでいないと答えた人がいるのではないでしょうか。
 
 ここで、僕の書いたブログの初回で英文法とは何であると捉えるべきであると書いたかを復習してみましょう。「英語のルールを学ぶ読解の基礎になる分野」です。これを踏まえた上で考えると、文を読む読解のルールを問うている問題を解くのに、その文自体の意味を把握していないというのはおかしなことだと感じるでしょう。文全体を見て、それがどの時制のもので、筆者はどのようなことを言っているかということを理解して初めて、英文のルールの問題に取り組むのです。

③ 英作文を書く
 次に、英作文のコツについて説明したいと思います。英作文を二つのパートに分けると、内容を考えるパートと実際に書いていくパートになると思いますが、ここでは実際に書いていくパートのことを考えましょう。そのときに文法の扱いかたが一つの鍵になるからです。
 先述のように、英作文を書いて慣れない頃は書くのにとても長い時間がかかると思います。これは、主に内容を考えるパートではなく実際に書いていくパートの問題です。書いていく中で、英語でどう書けばいいのかがわからないという経験をした人も多いと思います。そこで重要なコツは、できるだけ簡単な文法で書くということです。一見すると当然のことのように見えますが、書こうと思っている内容を可能な限り平易な文法で書くことによってミスも減り、読み手にも伝わりにくい文章を書くことができるのです。

第二回:英文法の学び方のコツ

① ちゃんと読む
これは前回の③の内容と関係しているのですが、文法を「ひとつの記号とそれに対応する日本語」と捉えるのではなく、しっかりと英語として読むべきだということです。なぜなら、そちらの方が理屈が分かっている分理解しやすく、もし忘れてしまっても容易に思い出すことができるからです。

 ここでは「be to 不定詞」と呼ばれる表現を見ていきましょう。この表現の訳し方はよく、「予定、運命、可能、意図、義務」などと言われています。正直覚えにくいと感じると思います。そこで、タイトルにあるように一度この文法をちゃんと読んでみて欲しいのです。ちゃんと読むと言われても「訳が覚えられてないのに読めるはずがないじゃないか」と思うかもしれませんが、まずは直訳でもいいので訳してみてください。すると、be動詞は存在を表せるので“S be to ~”は「Sは~するために存在している」という訳になりますね。この形ではいまいちピンと来ないと思うのでもう少し具体的にして、映画の台詞でありそうな「僕は君を愛するために存在しているんだ(I am to love you)」という文で見ていきましょう。するとこの文には「予定、運命、可能、意図、義務」の全ての要素が含まれているのが分かりますね。「be to 不定詞」の意味は「予定、運命、可能、意図、義務」と丸暗記する必要はなく、ちゃんと読んで訳して「~するために存在している」と捉え、必要に応じて少し訳を変えるのだと考えるので十分なのです。文法事項でもきちんと読めば暗記の量を減らすことができることもあるのです。

② 感覚を大切にする
 英語が得意な友達や先生に「英語を英語のまま捉える」や「英語は感覚が大事」というようなことを言われて、自分には参考にならないと感じた経験はありませんか?上に挙げた二つのような感覚は、実は文法を学ぶのにとても重要な要素なのです。ここではまた具体例を用いてそれを説明していきたいと思います。

 みなさんは前置詞の意味をどのように把握していますか?例えば、onとover、aboveの全てを「上に」という意味で一緒くたにして暗記に走ったりはしていないでしょうか。この三つは確かに日本語で考えれば全てが「上に」という意味になりますが、英語ネイティブの人々の考え方には明確な違いがあるのです。その違いを説明すると、onは何かに接着している「上に」です(The eraser is on the table. など)。次にaboveは浮かんだ状態での「上に」や、位置以外にも重要度の高さなど色々な「上に」も表します(Above all = 以上のことから など)。そしてoverはその上を飛んで移動しているというニュアンスでの「上に」です(The plane flies over the sea. など)。

 これはほんの一例ですが、前置詞や助動詞などは単に日本語の意味を暗記するだけでなく、英語としてのイメージや感覚を掴むことでよりしっかり学習することができるので是非試してみてください。このような情報は「前置詞 イメージ」などでweb検索すれば誰でも見ることが出来るので、ネット上の情報も活用してうまく学習に役立ててください。

③ 日本語と対応させて丸暗記しない
 今回は英文法を学習する際に覚えて欲しいことを二つ挙げましたが、この二つには共通していることがあります。それが、日本語に対応させて丸暗記しないということです。前回も書いたように、英語は日本語と対応した記号ではないので、全てにちょうどぴったりな訳がつけられるとは限りません。しかしだからと言って覚える単語全ての語源などを追っていたらきりがありませんし、時には丸暗記をする必要があり、正攻法とも言えます。ただ文法分野においては少し考えながら学習するだけで暗記の量が減って学習が楽になることが多いので、意識して学習してみてください。

第一回:英文法について

① はじめに
今回から「英文法のコツ」というテーマでブログを書かせて頂く、早稲田大学の佐藤と申します。よろしくお願いします。今回は、これから英文法について説明していくにあたって覚えておいて欲しいことを書いていきたいと思います。

さて、英文法と聞くと「あぁ、暗記の量がやたら多い面倒くさいやつだ。」と感じる人が多いのではないでしょうか。高校時代の僕も英文法に対してそのように思い、敬遠していました。英文法は英語のルールだから長文読解にも絶対に必要であるという話は聞いたことがありましたが、それでもなんとなく読めているからという理由で英文法をしっかりと勉強していませんでした。しかし、友達にやったほうが良いと言われてしぶしぶ学習してみると、それまでの考えは思い違いでああるということに気づきました。このような自分の体験から、皆さんが抱きやすい誤解を解き、英文法という分野の魅力や本質について伝えることができたらと思います。

上の文で、英文法は英語のルールであるということを聞いた話として書きましたが、是非この考え方を覚えておいてください。英文法は「英語という科目の独立した暗記分野」ではなく「英語のルールを学ぶ読解の基礎になる分野」なのです。

② 英文法に関する誤解
 英文法の参考書と言って真っ先に思いつくものはなんでしょうか?おそらくNext StageやVintageといった参考書ではないでしょうか。では、英文法の勉強法と言って真っ先に思いつくものはなんでしょうか?これはおそらく、上に挙げたような分厚い参考書を何周も繰り返して可能な限り暗記する方法でしょう。

 このような現状から英文法という単元が英単語と同じように「覚えなければいけない暗記分野」というイメージが強いと思います。もちろん暗記をすることも必要ですが、少し考えれば覚える量をぐんと減らすことができるのです。

③ 英語を日本語として見ない
上の見出しを見て、大半の人は何を言っているのかと感じたのではないでしょうか。英語を日本語として見ないということですが、ここで特に伝えたいのは「英語は必ずしも日本語と対応しない」ということです。

例えば、「私は鍵を失くしてしまった。」「私は鍵を失くした。」という2つの文を、ノートにでも頭の中ででもいいので英訳してみてください。ほとんど100%の人が一つ目の文を”I have lost my key.”、二つ目を”I lost my key.”と答えたと思います。それでは、この二つの英文を見たとき、何が違うかはわかりますか?答えは、一つ目の文”I have lost my key.”は鍵を失くしてまだ見つかっていないということが文からわかりますが、二つ目の“I lost my key.”では鍵を失くしたことのみが文から分かり、その後見つかったかどうかは分かりません。これは、現在完了形は過去から現在までの期間のことを示しますが、過去形は過去の一点であったことだけを示すといった違いによるものです。ここで問題にしたいのは、この二つに「失くした」と「失くしてしまった」という日本語の違いはこの指している時間の差をしっかりと表したものではないと言う事です。

「現在完了形=~しまった」と暗記している人はそれほど多くはないと思いますが、英語には必ずしも対応する日本語があるとは限らないということを頭の片隅に入れておいてください。